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ピラティススタジオ メタモルフォーゼ

【乳がん治療記録】

2019年夏に40歳でステージⅠ期乳がんが見つかり、計3回の手術(局所麻酔2回・全身麻酔1回)および放射線治療を経てホルモン治療期間に入りました。

ピラティスインストラクターをしておりますので身体操作に制限が起こることが最も心配でしたが、術後約4ヶ月(2019年年末時点)で大きな問題はございません。

特に運動が生業の方やスポーツをされている方は「術後どれくらいで動けるのか」が懸念事項となりますでしょうから、参考までに治療の経過を記します。病態は千差万別となりますので、あくまで個人の例としてご覧ください。

note版 乳がん治療記録

も  く  じ

【2019年6月 健診で所見なしだったがしこりに気づき 7月乳がん告知】

【2019年7月 急遽センチネルリンパ節生検手術を局所麻酔下で行う】
・手術当日にバレエ舞台リハーサルに参加(動画)
・傷が塞がらないままにホットヨガのレッスン業務…

【2019年7月 全身麻酔下で乳房部分切除(温存)手術】
「医療は究極の贅沢」と実感したことについて
・手術翌々日に病室内でバレエのプリエができた!
・手術7日後 バレエ舞台リハーサルに参加できた!(動画)

【2019年8月 3度目の手術、局所麻酔で再び部分切除(断端陽性)

【2019年9月 バレエ舞台本番(術後約1ヶ月 動画)

術創のケアは毎日 鍼・マイクロカレント・超音波導入など

【2019年10月〜 放射線治療25回+追加5回、計30回

【2019年12月〜 ホルモン療法(内分泌療法)開始】

乳がん治療費と保険の加入状況(民間医療保険/がん保険)


【発見】
健保組合の健康診断を毎年受けており、婦人科検診(乳がん/子宮頸がん)は全年齢対象でしたので併せて受診していました。乳がん検診はマンモグラフィと乳腺エコーのどちらかを選ぶことができ、エコーのみ受けていました(マンモは「痛くて被曝する」と聞いていたため)。セルフチェック(自己検診)はしていませんでした。

2019年6月11日 健診を受け、乳がんについては「良好A(所見なし)」の結果が戻ってきていました。健診のわずか18日後となる6月29日、ふと右乳頭下部のしこりに指が触れました。「なんとなく痒いような気がして」その場所に手が行きました。痒みに繋がる皮膚症状はなくそのように感じただけで、衣類の糸などが一瞬接触していたのかもしれません。その時たまたま発見できて良かったです。

検診での見逃しも多いようなので、セルフチェックの大切さを知りました。皮膚の直下に分かりやすい1cm弱のしこりがあり、乳房を押しつぶすなどせず簡単にさわれます。しこりの位置が乳房の中心部奥方向などであれば見つからなかったのではないでしょうか。
検診では触診もあったのですが一切指摘されず「この触りやすいしこりが素通りされるのか」と少々驚きましたが、健康診断はどうしても流れ作業ですし信頼性はそれほど高くないのかもしれません。乳がんの好発部位は外側上部とのことで、触診ではその脇に近い辺りを重点的にチェックされていました。乳頭部はそれほど触っていなかったような気がします。

【精密検査(マンモ・エコー・針生検)】
2019年7月1日 しこり発見から2日後に近所の乳腺外科クリニックを受診し、再び乳腺エコーと初めてのマンモグラフィで精密検査を受けました。しこりはマンモには写らず、エコーには写りました。検診でのエコーの信頼性も…高くない場合もあるようですね。
(3割負担医療費 4,180円)

2019年7月3日 麻酔を用いたエコー下針生検を受けました。組織を3回採取されたと思います。採取時に「バシュッ」という軽い衝撃があり、1回目、2回目は痛かったです。医師は「痛くないはずなんだけど〜」とおっしゃっていました。3回目は麻酔がしっかり効いている箇所なのか痛みはありませんでした。
(3割負担医療費 13,370円)

【診断告知】
2019年7月10日 乳がん告知となりました。医師からは「ホルモン陽性、進行度はゆっくりのようで良かった」と言われました。後から知ったのですが、生検と術後の病理検査結果が異なる場合もあるようです。従って術前での診断は仮と考えた方が良いのかもしれません。
医師から「手術は僕で良いですか?手術できる大きな病院の空きが7/26にあるのでそこで良いですか?翌月以降になると混み合う可能性があります。部分切除でいけるので術前MRI検査を受けてください」などの説明・日程確認がありました。告知当日に約2週間後の手術が決まり、非常に早く進んだケースだと思います。主治医となった先生の言動に併せて看護師の方々が迅速に検査・手術を行う病院に電話連絡をしてくださいました。
(3割負担医療費 7,100円)

【術前MRI検査】
2019年7月11日 治療方針決定のため造影乳房MRIを受けました。造影剤による副作用の説明は怖かったですが、トラブルなく受けることができました。大きさ的にはステージⅠ期の見立てです。
(3割負担医療費 10,130円)

【術前検査】
2019年7月17日 クリニックより紹介状を受け取りました。
(3割負担医療費 1,100円)
同日 手術を受ける大きな病院で術前検査を受けました。尿/血液/肺活量/X線等。
(3割負担医療費 8,070円)

【手術前の仕事の整理】
私はインストラクターとして主宰スタジオの他にホットヨガスタジオでもレッスンを担当しています。スケジュールに穴は空けられないので入院期間は代行してくださる先生を見つけ、スタジオ側からお客様に通知してもらわなければいけません。同業の方はお分かりでしょうが、この「期日が迫った代行者様探し」は大変な労力です。慌てて11本のレッスン分、担当してくださる先生方を探しました。多くのご協力をいただくことができ感謝に尽きません。

【予想外の展開、センチネルリンパ節生検(切開摘出)を局所麻酔で行うことに】
2019年7月18日 クリニックから突然の電話がかかってきました。「急遽、明日『センチネルリンパ節生検』を局所麻酔下で行いたいから来てほしい」とのこと。
「センチネルリンパ節生検」とはリンパ節に転移がないかの生体検査です。電気メスで身体を切開し組織を取り出すので通常は入院・全身麻酔下で行い、私もその予定でした。
理由は「急を要する別の患者さんが同日7/26に手術することとなり、当日の時間が取れなくなったため」で断ることはできず、翌日のプライベートセッションを予約してくださっていたお客様に事情を話し、お休みをいただいて手術することになりました。

2019年7月19日 クリニックで局所麻酔下センチネルリンパ節生検を受けました。意識がある中、身体に電気メスが入るのは相当な恐怖でした。

まずは生体を採取する箇所、「センチネルリンパ」の位置を探します。乳頭近くから色素を注射し、乳房を強く揉みながら色素を乳管内に押し進めていきます。

医師は私に「モニターを見てください。管の中に入った色素が光るのが分かりますか。やっていることはかなり原始的で『マニュファクチュア』という感じですが…」と呼びかけました。手作業という意味でおっしゃったのだと思います。その色素が辿り着いた箇所が最初の腋窩リンパ節=センチネルリンパがある位置という当てをつけ、皮膚に印を描いたらいよいよ手術です。

場所は脇の下というより乳房上部外側でしたが、電気メスが身体に入ると右腕全部にその動きが伝わります。血管、神経、リンパ等「たくさんの管が腕に通っていてその管が土木工事されてる!」という感じでした。じゅくじゅくと液体が中で動く感覚が手首の辺りまであり、腕の可動性に悪影響が起こらないかとても心配で恐ろしかったです。電気メスは何度も何度も身体の中に入り、人間のタンパク質の焼ける臭いと音が続きます。

(…)色素法だけで行う場合の欠点は、わきの下のリンパ節に向かう色素の流れを皮膚の外からでは追いきれないことです。実際に皮膚を切開して、肉眼で色素を確認しながらセンチネルリンパ節を突き止めるという作業が必要になります。(…)」とある通り、ひたすら肉の中を掘って探される作業は永遠に感じました。手術にかかった時間は実質1時間半くらいのようで、受ける側としてはとても長い!

助手の先生(男性)も加わり、この方はとても楽しそうでした。手術中は音楽をかけており先生方で曲についての雑談もありました。

助手医師「こんなところまで大胸筋がきてる!すげえ!男ですか?褒めてます」
私「。。。(答えられず)」
主治医「インストラクターだからね〜」
私「はい〜。。。」
助手医師「良いです、変な脂肪がたくさんあるより良いです」

「男並みの大胸筋」と、切開し医師の目で実際に見てもらった経験は貴重だと思いますので確かに良かったですし、ベテランで余裕のある先生方だと思います。でもとにかく局所麻酔での手術は怖いのでもうやりたくない!

【採取されたリンパ節は柔らかかった】
肉と皮をぐいぐい引っ張られながら縫合が終わり、手術台から起き上がると先生が採取したリンパ節であろうものを血まみれの指で持ったまま「これを取りました!」と見せてきました。1.5cm角程度の肉片で管のような尾がぴろーんとぶら下がっていたような。貴重ですが、血まみれの肉って若干気持ち悪いかも。「柔らかいので大丈夫だと思います」つまり、がんが転移してしこりにまでなっていたら固いのでしょう。

全身麻酔の手術内で行われるセンチネルリンパ節生検は大急ぎで病理検査をする術中迅速診断となるのですが、術前の場合は時間をかけて診断できるので「より確実な病理結果が出るから良いでしょ?」とのことでした。

術後は痛み止め(ロキソニン)を飲み「腕は上がるので運動して良い」と言われ、そのままバレエのレッスン(生徒として)に向かいました。さすがに「手術当日なのに大丈夫だろうか、いつズキッとくるだろうか、痛みが発生したら止めよう」と考えながらレッスンを受けましたが、痛み止めが効いており無事に舞台のリハーサルまで終えることができました。

当日の動画(39秒)があります。バレエ動画を人様にお見せするのはとても恥ずかしいのですが、乳がん患者さんのご参考までに。

【言い訳】
・右腋窩切開手術直後なので全力で動けてはいない
・乳がんに忙殺され精神的にもショックを受け少ない練習量
・振り入れから1ヶ月程度の練習量
・私はバレエを大人から始めました
(2012年末35歳になる頃から始め、2019年7月40歳時点で約6年半の経験です)
楽曲は音量MAXにしてください
↑術側右、周囲にいる方々は病気や手術のことを知りません

【環境について:クリニックでの手術はなかなかワイルドだった】
手術といえば手術室。雑菌などが入らないようある程度 外界から遮断された空間を想像していましたが、小さなクリニックの手術室にはドアがなく(あるのかもしれませんが解放されっぱなし?)そのまま廊下を通れば屋外へ繋がる自動ドアまで直ぐで、普通に人が出入りしています。古びたロッカー室(あまり綺麗ではない、ごめんなさい)で上着のみ患者衣に着替え、お惣菜を入れるビニール袋のようなキャップを頭にくしゃっと被せられる程度の装備で「まじかよ」と思いましたが、傷口の感染等は起きず無事でした!

「野戦病院ってこんな感じ?!」と大袈裟に失礼なことも考えながら手術を受けました(←野戦病院がこんなに安全なわけない)。その空間でぱっくり皮膚と肉が開かれ、筋肉は露出し(褒められた)、リンパ節を1個掘り出されましたが、通常の空気に触れるくらいでは案外なんてことないのですね。

肉掘りだけでなく「糸で縫う」のも本当に嫌な感触(とにかく怖い〜)でしたが、帰宅後に騒いでいたら夫に「ランボーは麻酔なしで縫ったんだから大丈夫」と言われました(件の『ランボー』撮影シーンではシルヴェスター・スタローンが実際に怪我をし、傷は特殊メイクではなかったらしいです)。
(3割負担医療費 13,150円)
(処方痛み止め薬 510円)

【手術直後の仕事が辛い】
このように病院の都合で急遽センチネルリンパ節生検手術を受けたため事前に休みを確保することができておらず、翌日以降は仕事せざるを得ません。
インストラクター業だけでなく、自営業は信用が全てです。予約してくださっているお客様やスタジオに「自己都合で明日は休みます」などと言うことはあり得ませんので、なんとかなるだろうと入院日まで下記業務をこなしました。

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運動レッスンの負荷は、受講する側とインストラクター側では全く異なります。受ける側であれば痛みのある部位は加減し動作の正確性よりも安全性を優先できます。しかしインストラクターは正しい動きをしっかり見せて生徒さんに理解してもらうことが仕事です。

手術当日こそバレエのレッスンを強い痛みなく受けることができましたが、その後4日間、仕事でのハードスケジュールは肉体的にきつかったです。

術後にできるだけ早い段階でリハビリ(関節動作)を始める目的は可動域縮小を防ぐことです。私は手術直後にバレエを行い、肩関節そのものの可動性に問題は生じませんでした。おかげで関節は動くのですが、翌日以降は傷の癒着が始まり大きな動きでは皮膚とその下の組織が突っ張る感覚があります。術後リハビリの難しい点は、下記の相反する要素にありました。

・関節は固まってほしくないので、動かした方が良い
・創部に繰り返し強い力がかかるとケロイドや瘢痕の原因となるため、術創は固定した方が良い

関節を動かせば固定しておきたい傷口も一緒に動いてしまいます。ケロイドや皮膚の引き攣れが残ったら困るので、グループレッスンは無理でもせめてピラティスのプライベートセッションではバーバル(口頭指示)を増やし見本動作を減らそうと試みました。ですが口で説明しただけで生徒さんが正しく動けるほど身体操作というのは簡単ではありません。「これまでに何度も見せ何度も行ってきたエクササイズだから大丈夫だろうか?」と思いましたが、やはりそんなことはなく「これまでに何度見せ何度行ったエクササイズでも、その都度正しいデモンストレーションを見せることは必要」なのです。一度で駄目なら二度でも三度でもデモしなければなりません。うぐぐ。

右腋窩の手術後、全ての動作に制限がかかるわけではなく、皮膚が引っ張られるのは「右腕を挙上したままの脊柱伸展および左方向への脊柱側屈」でした。

しかしどちらも、ピラティスやストレッチでは頻出動作なのですよねー!「傷口が開いたらどうしよう〜」と怖がりつつもやっちゃっていました(←開きません)。お客様の前で動作を加減して「この先生、身体固くない?」と思われてしまっては今後の仕事に差し支えがありますので、平気な顔で平気な声で指導しつつ心中は怯えていました。

私の場合「ホットヨガスタジオが職場」という環境も難ありでした。手術創は72時間程度で癒合するそうですが、そのギリギリである術後3日で滝汗をかきながら運動しても良いのだろうか。。。防水仕様の絆創膏を貼って挑みましたが、4日目のホットヨガレッスン2本では汗に耐えきれず絆創膏が剥がれてしまい少し傷に滲みました。ひいいい。表皮は接着しても体内で炎症は続いていますし、大量に汗をかいて運動すれば悪化しかねません。

創部の感染や膿みは生じなかったので結果としては乗り切れたのですが、この時期はそれが不安で疲れました。。。順調に予定通りスケジュールが進行すればこんなことはなかったので手術等の予定が狂うのは困りますね。しかし自分一人の都合で決められるものではないので仕方ありません。

【入院、乳房部分切除(温存)手術】
前日に入院し、翌日に手術です。全身麻酔からの覚醒時に悪心が起こることはよくあるらしく、私もそうでした。確か「2時間は薬剤を使えない」とのことでしたが、少し嘔吐してしまい吐き気止め投与の許可が出て治まりました。起きた途端に気持ちが悪く、それを想定していなかったので少し驚きました。
尿管が入っており翌朝まで身動きできずあまり眠れないのが辛かったです。エコノミー症候群予防のため膝下までの弾性ストッキングを履いていましたが、かぶれてしまい退院後に市販のステロイド剤(マイルド)を塗布し治癒しました。その他の経過は順調でした。
センチネルリンパ節に転移はなかったため腋窩部郭清なしの乳房部分切除(温存)手術です。

手術が終わるのを待ってくれていた夫は、主治医に切除した肉片を見せられただけでなく「薄い手袋をつけて触らされた」と言っていました。「こんな機会は滅多にないから」と強いられたそうです。笑

【「医療は究極の贅沢」と実感したことについて】
手術の翌朝、看護師さんに尿管を外していただきました。初となる「下のお世話」をしてもらい大変申し訳なく思いました。

病気が発覚したことでこれまでそれほど意識していなかった現実を知り、それはいわゆる「キャンサーギフト」と言えるかもしれません。つまり「自分は先進国で異常なほど恵まれた生活している」という事実でした。日々あくせく働いている中ではそのことに気がつかず改めて驚きました。

癌が確定すると同時に凄い数の大人が私を治そうと動いてくださいます。自宅近辺で高度な医療を受けられるのは日本の制度が整っているからに他なりませんが、一般人に過ぎない私がこのレベルの扱いを受けるのかと衝撃でした。癌になって「日本人は実質貴族」と知ったのです。自分がお姫様だとは夢にも思いませんでした。これを全国民に適用するのですから国が詰むはずですね。。。

地球における先進国の割合は20%ほどだとか。特に引け目などまでは感じませんが「私が今日受けた治療は昨日死んだ誰かが死ぬほど受けたかった医療」とも言えます。治療を受けられない人もいれば、医学の発展過程で犠牲になった人もいるでしょう。

病院では医師もコメディカルの方々も限界までお忙しそうで、それでもわざわざ病室訪問してくださったりナースコールがあれば駆け付け下のお世話もしてくださって。。。母国ながら病棟内はカルチャーショックの連続でした。医療体制が高度に保たれているのは「仕事とはいえ個々人の自己犠牲に頼るところがとてつもなく大きいのでは」と違和感さえありました。上がったサービスのレベルはもう下げられないでしょう。患者からのクレームまで受付にたくさん貼ってありますし。。。

こういった恩恵に預かれることを「当然」などと思ってはならずありがたいことこの上ないのですが、贅沢とは暴走するのが常。過剰治療の問題もあるのだろうなあ…と癌になって実感しました。

命があるって贅沢〜。ただの人間が他人にここまでしてもらって生きるのか。ひと昔前なら道端に打ち捨てられていただろう自分の命です。人権意識が極限まで発達した今でもその本質は変わらないはず。「生きてるだけで感謝しろ」ですね。だからこそ大事にできるうちはしておかなくては。死後さばきにあう。

【手術翌朝はエックス線写真撮影】
さて、朝トイレに行けたら胸部X線撮影です。一人でよちよち歩いて放射線室まで行きました。先日の手術で「歩くと術後の傷に響く」経験をしたので、胸に振動が伝わらないよう胸帯の上から腕で抑えたり支えたりしながらの歩行です。この日の運動は院内のコンビニや休憩室を覘いてみる程度でした。

あとはテレビをつけてゴロゴロ過ごし、退屈を感じる程度に元気でした。ワイドショーで宮迫博之さん(吉本興業)の闇営業問題を延々報じている時期で、その夜NHKスペシャル『半グレ 反社会勢力の実像』を見ていましたらそこでも宮迫氏が反社のパーティーで歌う様子が放送されていました。2019年夏の思い出です。

【手術翌々日 病個室内でバレエのプリエやダンスのアップ動作ができました!】
一晩睡眠を取り手術翌々日の朝、胸部のぼんやりした痛み以外は運動できる程度の状態と判断し、個室内でレッスン用伴奏曲をかけバレエの基本動作やダンスのアップをしてみました。腫れた右胸が振動しないよう片腕で抑えながらでしたが問題なく行うことができ、同日(術後2日目)退院しました。
(3割負担医療費 172,550円)
(差額ベッド(個室)代 73,440円)
(食事代 2,760円)

術後の運動状況は下記の通りです。最短と言えるほど順調な回復だと思います。術式等によっては全く異なる結果になっていた可能性もありますので、侵襲を最小限に抑えてくださった主治医には感謝しかありません。
術後1週間のバレエレッスンではグランワルツ(大きなジャンプ)のみ見学、他は全て参加しました。

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術後1週間の動画(8秒)があります。1曲を通した踊りの動画も撮ったのですが誤って削除してしまい、先生が指導してくださっている場面になります。バレエ動画を人様にお見せするのはとても恥ずかしいのですが、乳がん患者さんのご参考までに。

【言い訳】
・術後1週間でフラついている
・バレエは積み重ねが大切で毎日「昨日の身体操作の記憶を翌日に繋いでいく」作業だが、入院と全身麻酔手術により一旦その記憶が断ち切られた
・乳がんに忙殺され精神的にもショックを受け少ない練習量
・私はバレエを大人から始めました
(2012年末35歳になる頃から始め、2019年8月40歳時点で約6年半の経験です)
↑術側右、周囲にいる方々は病気や手術のことを知りません

この通り経過は順調で、先述した通り傷口(2箇所となりました)を引っ張らないよう「右腕を挙上したままの脊柱伸展および左方向への脊柱側屈」動作は控えめにしつつ、仕事をこなすことができました。

傷口は乳輪に沿った小さいもので、少しだけ乳輪下縁が欠けたのですが腫れが引けば手術をしたことはほぼ分からない見た目です。腋窩・乳房の皮と肉は少量とは言え切除されているので、その分は可動域が狭くなるはずです。無理せず時間をかけて動きを戻していくつもりでした。

【3度目の手術、局所麻酔にて再び部分切除(断端陽性のため)】
退院後 約2週間で病理検査の結果が出て、ステージⅠ期のままでしたが「断端に非浸潤癌2ヶ所露出で再手術」となりました。主治医に「全摘した方が良いのか」を相談したところ「こんなに小さい癌で全摘は考えなくて良い、センチネルの時と同じように局所麻酔でクリニックのお昼休みにできます」とのことでした。

3度目の手術は予想していなかったので、再び慌てて「期日が迫ったレッスン代行者様探し」をすることになりました。担当してくださった先生方に改めて感謝申し上げます。

局所麻酔下の手術1度目は実態を知らずに受けましたが、「もうやりたくない」と感じた後に再びやらねばならない事態となり恐怖が募りました。

また、2度の手術で狭くなったであろう可動域が更に削られること、手術したことがほぼ分からない外観だったのに更なる傷がついてしまうことにも落ち込みました。

しかし前回と同じ手順で手術は進み、今回は乳房下部にメスが入るので振動が腕まで響くことはありませんでした。でもやはり電気メスが作動する音とタンパク質が焦げる臭い、体内での土木工事の感触は恐ろしいものです。恐怖のあまり呼吸が荒くなったため、看護師さんが過呼吸を心配して「ヒューヒュー息を吸わないように」と言われました。

肉に当たったメスが熱かった時には「わーー!!!!」と叫び、「ごめんね、麻酔を足します」という騒動もありました。大人ですが泣きました。その他はされるがまま無事に終わりましたが怖すぎます。

恒例の「切除肉片を見る」イベントもありました。脂肪は本当に黄色かったです。
乳房下部に数cm傷の線が入りましたが変形はありませんでした。

(3割負担医療費 90,100円)
(処方痛み止め薬 390円)

約1週間後に出た病理結果は「断端2mmに非浸潤癌が近接」で、「これ以上手術はできないので放射線をブースト照射します」ということになりました。欧米基準で「断端2mm」はセーフらしいのですが、日本の基準は5mmのようです。

【1ヶ月間に3回の手術、その1ヶ月後にバレエの舞台】
約1ヶ月間に3度も手術を受けさすがに疲れました。3度目後の運動状況は下記で、術後約1ヶ月でバレエの本番でした。体力は落ちていたのですが仕事は週6日フル勤務、唯一休みの日に舞台のため自主練を設定していましたがあまりできませんでした。

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楽曲は音量MAXにしてください
↓術側右、乳がんで3回の手術を受けた1ヶ月後のバレエ舞台です(57秒)

【言い訳】
・度重なる手術で体力が奪われている
・乳がんに忙殺され精神的にもショックを受け少ない練習量
・私はバレエを大人から始めました。
(2012年末35歳になる頃から始め、2019年9月40歳時点で約6年半の経験です)
・バレエはポーズ中も柔らかく伸び続けなければいけないのですが、グラつきたくないあまりいちいち動きを止めちゃってますね。。。
・今回は舞台に立てるだけで良し!

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何はともあれ本番もなんとかなりました♪

【術創のケアは毎日 鍼治療、マイクロカレント、超音波導入など】
私は以前から週1回鍼灸整骨院で鍼治療を受けていました。乳がんが判明した時そのことを院長先生に伝えると「術創をきちんとケアすると傷痕も瘢痕も残りにくい。鍼については主治医の許可を取ってください」と言われました。主治医は「鍼灸院に行くことは構わない」との回答で、退院2日後からすぐに通い始めました。

その鍼灸院には女性鍼灸師と女性理容師2名が行う美容鍼灸等のエステメニューがあり、そちらを適用していただきました。筋肉痛や軟部組織損傷が早く治るというマイクロカレントは毎日でしたが「同じ刺激が続くと身体は慣れてしまうので、鍼と超音波導入は交互に行う」など工夫をしてくださいました。おすすめされ購入した生コラーゲンパックを使い自宅で傷ケアもしていました。

鍼灸院は退院後1ヶ月間は欠かさず毎日、その後1ヶ月は仕事の合間を縫って週2〜3回と、傷を早く綺麗にするため足繁く通いました。マイクロカレントは家庭用製品も購入し、3度目の手術では縫合直後から使用しました。その時はテープの上からパットを貼っていたのでほとんどの電流は阻害されていたでしょうが。。。

購入したのは 伊藤超短波のAT mini Parsonal 2で、とても小さくポケットに入れたまま持ち運びができ首や肩や腰に貼ったまま過ごせます。トレーニング後のコンディショニングにも使えるので良いです。

ケアしなかった場合との比較はできないので何とも言えませんが「傷の治りが遅い」とは感じませんでした。

【放射線治療25回+ブースト照射5回、計30回】
私の住んでいる地域には放射線治療科のある病院が複数あり、通いやすいところを選択できます。治療中に皮膚炎を悪化させないため保湿が重要となりますが、皮膚に描くマーキング(正確に照射するための印)が複雑だと保湿剤を塗布しづらいと思い、主治医に「できるだけマーキングが小さいところはないか」相談しました。お優しい主治医先生はいくつか問い合わせしてくださり、私の希望に沿った病院へ紹介状を書いてくださいました。最近はマーキングなしで済む機械もあるようですが、残念ながら近所にはありませんでした。

治療回数は30回で約2ヶ月(7週)に渡り、副作用の皮膚炎が軽快するまで約1ヶ月とのことでしたので、その3ヶ月間は休みを取り仕事もバレエも含めて一切運動しませんでした。特にホットヨガスタジオは高温多湿の過酷な環境ですので、治療中に入ると炎症を悪化させるだろうと考えてです。収入はゼロになりますが、復帰にあたり煩わしい後遺症をできるだけ残さないため3ヶ月間ケアに集中しました。治療の進捗に合わせ、傷の次は皮膚の手当てです。

準備として放射線開始1ヶ月前から下記サプリメントを摂りました。

一つ目はこれ。放射線は休まず通うことが重要なので体調を崩してはいけません。パッケージに「身体虚弱」と大きく書いてあるところが気に入りました。インパクトが大切です。効いたのかどうか分かりませんが、風邪など引かず予定通り通院できました。


もう一つはこれ。日焼けによる色素沈着緩和です。

放射線期間は肌に何か貼ったり剥がしたりできませんので、これまで通っていた鍼灸院でのエステ(鍼、MCR、超音波導入)はNGです。代わりに照射中〜後の計3ヶ月間は毎日酸素カプセルに入りました。1.5気圧、高濃度酸素がノズルから噴射されるタイプで体調を整えました(60分1500円)。

マーキングは左右脇腹に小さな「+」印が1つずつ、乳頭を中心に大きな「+」印が1つで、計3つでした。事前に伺った通り比較的シンプルな方だと思います。保湿を怠らず、おかげで「皮膚が乾燥し硬くなったりヒリヒリする」ような事態にはなりませんでした。

照射中〜後の3ヶ月間、ブラジャーはもちろんカップ付タンクトップすら着用せず薄い肌着の上に秋物を重ね着していました。家と病院を車で往復するのみでほとんど活動せず、徹底的に刺激を避けました。

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痒み・痛みの発生は遅く、時々感じるか感じないかくらいでさほど長続きもしませんでした。
(3割負担医療費 初回CT:22,210円、全体照射:5700円
追加照射初回:11,910円、追加照射:2820円、週1診察時に増額し計約20万円)

【放射線治療30回終了後の変化】
保湿後に食品用ラップ(粘着しないタイプが◎)で覆うと乾燥を防げます。薄い日焼け色は出ましたが真っ黒になったり皮が剥けることはありませんでした。

5日後:一部に時折感じていた軽い痒み・痛みはほぼ消失。ブースト照射部に赤みと照射部全体に日焼けが残るが薄くなる。
6日後:放射線治療時から続いていた眠気・倦怠感は消失。
10日後:全体の色が薄くなる。
6週間後:ホットヨガスタジオでの仕事に復帰。

ちなみに約3ヶ月間ブラジャー類を着用していなかった状態でカップ付きブラやレオタードを着けた時、「これはとても体に悪いのでは。。。」と感じました。締め付けに慣れてしまうと気づかないものですが、外している時間は長い方が良いのではと思います。

放射線の影響は生涯続くので、引き続き記録していきます。

【ホルモン療法(内分泌療法)】
放射線治療終了から約1週間後、2019年12月からタモキシフェンの服用が始まりました。「オーソライズド・ジェネリック」といって「原薬、添加物、製造方法等が先発品と同じジェネリック医薬品」だそうです。こちらも変化が起きたら記録していきます。

【乳がん治療費】
初診〜入院手術、放射線治療、ホルモン療法薬2.5ヶ月分購入まで(のべ約5ヶ月間)の医療費合計支払金額は約53万円(自己負担3割)で、このうち高額療養費制度により上限を超えた分は払い戻されました。今回の治療で初めてこの制度を知り、また「日本は素晴らしい、でもこのままでは詰む。。。」と思いました。

他に入院時の経費は差額ベッド代3泊7日で73,440円、食事代2,760円、雑貨(胸帯・T字帯・平おむつ等)代約2,500円、合計8万円弱です。

入院前手続で部屋種を第2希望まで申し込む必要があり、第1希望は「トイレ付き個室8,640円」第2希望は「トイレ・シャワー付き個室18,360円」にしました。シャワーは退院まで入れないため不要だったのですが、個室を優先したのです。

そしてまんまと無駄に高い18,360円個室に泊まることとなったので、第二希望は大部屋にしておけば良かったと思いました。それほど高くてもそれほど豪華ではなく、綺麗ですが質素な部屋でした。

5ヶ月間で鍼灸院や酸素カプセルなどのセルフケアは約15万円家庭用医療器サプリメント等の購入品は10万円を超えました。MCR等は今後もコンディショニングに使うので問題ありません。

【保険の加入状況(民間医療保険/がん保険)】
私は29歳で民間医療保険(医療保険とがん保険)に加入しました。特約があり各保険から「入院/手術/放射線治療/通院」保険金と、加えてがん保険から「がん診断給付金」が下ります。

収入ゼロ期間を3ヶ月も設定したので今回とても助かったのですが、医療保険の方に「1. 三大疾病になったら100万円」「2. 通院日額3千円」「3. 退院時10万円」のどれかを選べる特約があり、私は「通院3千円」を選択していました。11年前の検討当時、がん保険は別で入りますし交通事故等での通院を懸念したような記憶があります。

保険加入時の申込書を確認して「この時『三大疾病特約』を選んでいたら!」と悔やみました。「そこは癌だろ」と。私は100万円のギャンブルに負けたのです。。。せめて「退院時10万円」では。

このように保険は多くの場合「実態が分からないうちに選択する」ものですが、私は「掛けられる状況であれば掛ける」派です。何事に限らず機会を見極めるのは難しいのですが、癌だけではなく病気になれば加入自体できなくなったり年齢が上がるほど保険金も上がります。「2人に1人は癌」と言われますので、なんと5割の可能性です。終身保障型等に加入しておき待っていればいつか自分に順番が回ってくる確率が50%もあるので、比較的予想しやすい種類の賭けではないでしょうか。

若年であれば現状とバランスが取れている商品はチャンスを逃さず短期払も有りかもしれません(良い保険ほど販売終了する)。「終身払で定期的な見直し」と言うのは状況によりますが売る側の言説でもある気がします。私は加入後に新規変更の営業をされていませんが、頻繁に勧誘がある場合は慎重な対応を。

有事にリターンが見込める保険は保険料も高く、安い商品は保険金が少ないので支払分を貯金した場合と大差ないと思います(個人的意見)。もちろん貯蓄は良い選択で保険に頼らず多額余剰金があればベストでしょうし、自分にも理想ですが。。保険は平常時には他の方のお役に立つものなので、掛け捨てと言ってもお金を捨てているわけではないと考えています。


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